お子さまの矯正治療では大人の矯正治療よりも注意するべき点、サポートが必要な点がいくつかあります。
1.治療のタイミング
適切な時期の選択が重要です！
子どもの矯正治療は、一般的に乳歯から永久歯への生え変わり時期に行われることが多いです。この時期に治療を開始することで、成長期の顎の発育を利用して効果的な矯正が可能です。
しかし、子どもの矯正治療は歯並びや噛み合わせによっては、スタートの時期が遅れることによって、治療の結果が十分に得られないことがあります。
特に「受け口」や「重度の上顎前突(出っ歯)」のような場合は、永久歯への生え変わりが始まったタイミングで早めに相談から行くことをお勧めいたします。早い子は5歳ごろから治療が可能です。
※ただ、Ⅰ期治療で使用する装置は取り外しのできるものも多く、お子さまの協力度に治療の結果が依存してしまうことが多いです。年齢が幼すぎると、中々装置をうまく使えなかったり、気分によって使えないことがあったりしてしまい、治療が思うように進まないことがあります。その際は、早めの治療開始をお勧めしている場合でも、協力が得られる年齢になるまで治療を待つことも少なくありません。
2. 歯科医師の選択
矯正治療は専門的な知識と技術が必要です。矯正専門の歯科医師を選び、信頼できるクリニックで治療を受けることが重要です。
その指標の一つに日本矯正歯科学会の「臨床指導医」や「認定医」という資格があります。
これらの資格は、矯正歯科治療において確かな技術と知識・経験を持った歯科医師のみが獲得できる資格となっているため、矯正治療において歯科医師を選ぶ際の良い指標となります。
3. 治療計画の理解と同意
詳細な説明を治療ごとにしてくれる歯科医師のもとで治療を行いましょう！
治療の目的、方法、期間、費用について歯科医師から詳細な説明を受け、親と子どもが理解・納得した上で治療を開始することが大切です。
治療開始前のカウンセリングではもちろん、治療が開始してからも調整ごとにしっかりと経過の説明をしてくれることで安心して治療を受けることができます。
4. 治療中のケア(口腔衛生の維持・食事の注意)
矯正装置を装着すると、歯磨きが難しくなり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。フロスなど普段の歯ブラシ以外の清掃具を使用し、定期的に歯科検診を受けることが必要です。
また、硬い食べ物や粘着性のある食べ物は避けるべきです。これらは矯正装置が外れてしまったり、ひっついてしまうと取れにくくなったりして虫歯のリスクを上げてしまいます。
5. 心理的サポート
お子さまが矯正治療に対して不安を感じることがあります。治療のメリットを説明し、ポジティブなアプローチでサポートすることが重要です。
お子さまの矯正治療では、先述した通り、お子さま自身の協力がどのくらい得られるのかが治療の結果に大きく影響してきます。お子さま自身が治療に積極的になれるようにサポートできる環境を当院では整えております。ご自宅でもそのような環境を準備しておけるといいですね。
